本書は、南出喜久治先生の主著『國體護持總論』第三巻「皇室典範と憲法」が原典であり、緻密な憲法学的論証に基づいた論が構築されている。
まずは、破棄、不成立、無効など当該の法律用語の概念を規定した上で、占領典範と占領憲法の無効理由をそれぞれ列挙。
そして、改正無限界説、八月革命説、承詔必謹説などの占領憲法を有効とする説を論駁。これらが、如何に論理的整合性を欠く謬説であるかを明示している。
真正護憲論、つまり、帝国憲法の現存を明らかにしつつ、占領憲法を講和条約の限度内で認める、講和条約説を展開している点において、旧無効論の弱点を超克している。
帝國憲法は、明らかに、現存する。何故ならば、サンフランシスコ講和条約/桑港条約、の締結は、交戦権を否定している、GHQ占領憲法/通称日本国憲法、では為し得ないこと。帝國憲法に基づき締結されたのは、明々白々である。
講和条約説とは、憲法の名を借りて跳梁する占領憲法は、帝國憲法第76条第1項の無効規範の転換により、憲法としては無効であるが、講和条約としては有効とするものだ。
大日本帝國憲法第76条、法律規則命令又ハ何等ノ名称ヲ用ヰタルニ拘ラス此ノ憲法ニ矛盾セサル現行ノ法令ハ総テ遵由ノ効力ヲ有ス
これにより、真正護憲論は、現行法の法的安定性を確保している。
GHQは、占領統治期間中、民主化の美名の下、検閲、言論統制、皇権剥奪、公職追放という非民主的な手段で日本弱体化工作を行い、一環として占領典範と占領憲法を強要した。