2011年12月20日

とこしへのみよ

本書『とこしへのみよ』は、南出喜久治先生の主著『國體護持總論』第三巻「皇室典範と憲法」が原典であり、緻密な憲法学的論証に基づいた論が構築されている。

まずは、「破棄」、「不成立」、「無効」など当該の法律用語の概念を規定した上で、占領典範と占領憲法の無効理由をそれぞれ列挙。

そして、「改正無限界説」、「八月革命説」、「承詔必謹説」などの占領憲法を有効とする説を論駁し、これらがいかに論理的整合性を欠く謬説であったかが提示されている。

本書には真正護憲論、つまり帝国憲法の現存を明らかにしながらも、占領憲法を講和条約の限度内で認める「講和条約説」を展開している点において、旧無効論を越えた新規性を有しており、帝国憲法の現存は、サンフランシスコ講和条約/桑港条約、などが交戦権を認めない占領憲法では締結し得ないことから、専らら、帝國憲法に基づき締結されたものと解釈し、それを論拠とする。

また、「講和条約説」は、占領憲法が「憲法」の名で世に罷り通っているものの、帝国憲法第七十六条第一項の「無効規範の転換」により、憲法としては無効であるが、講和条約としては有効とする説である。

これにより、真正護憲論は現行法の法的安定性を確保する実現可能な論に仕上がっている。

以上、真正護憲論の特徴を纏めましたが、畢竟、その真髄は、占領憲法が我が国の規範國體に悖るがゆえに無効とする点にある。

GHQは、占領統治期間中に「民主化」の美名の下、検閲、言論統制、皇権剥奪、公職追放といった「非民主的」な手段で日本弱体化工作を行い、その一環として占領典範と占領憲法を強要した。この暴挙は、我が国が二千有余年かけて築き上げた規範国体の否定を意味する。

この一点をとるだけでも、本来、占領憲法は無効に帰するべき存在で、真正護憲論は、ただ占領憲法を無効として帝國憲法を護るというだけでなく、その背後にある規範國體を護る國體護持の精神に基づいて構築されている。

我が国は、連合国の行った無法行為をこれ以上許さないためにも、國體を護持し、國家としての道理を正す使命を負う。

二千年を越す我が國の悠久の歴史において、占領憲法下の六十六年など物の数に及ばない。一刻も早く占領憲法の無効と帝國憲法の現存を宣言し、矍鑠とした伝統國家の姿を世界に示そうではありませんか。


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