同時多発テロは、侵略の世界史の終わりの始まり―明治以来、日本は欧米を文明先進国と崇め、非白人を歴史の表舞台に登場させることはなかった。
そのため西欧の繁栄を支えた植民地支配の暗黒面を見落としてきた。本書は、白人の残虐性と侵略性の根源は何かを解明する。
現代史だけを見ていたのでは、世界の中の日本の位置を見誤る。過去500年、白人が世界に向かって何をしてきたかを見れば、歴史の真実は明らかとなる。日本人としての誇りと自信を取り戻すために。
南北アメリカ大陸のうち、イギリスの植民地となったアメリカ、カナダなど、英語圏の先住民をインディアンと呼ぶ。彼らは紀元前4万年から2万5000年頃、アジアから当時は陸続きだったベーリング海峡を通ってやってきた人達で、人種的には日本人と同じモンゴロイドである。
ヨーロッパ人による北米の征服は、中南米より一世紀遅れて始まった。白人は先住民を野蛮人扱いしたが、彼らはアイヌと同じように、先祖の残してくれた自由の大地で、大自然に抱かれて伝統を守り、天真爛漫に楽しく平和に暮らしていた。そこへ突如、白人植民者が侵入し、インディアンの運命は一変するのである。
当時、北米大陸に侵略してきた白人はイギリス、フランス、スペイン人だった。だが、イギリス人と出会ったインディアンの運命が一番悲惨だった。なぜか。というのもフランス人はもっぱら毛皮にのみ関心があり、スペイン人は貴金属に関心があった。そのため彼らにとって、先住民の抹殺は得策ではなかった。
ところがイギリス人の関心は、もっぱら土地だった。土地とは言い換えれば領土である。イギリスで食い詰めた移民たちは、新大陸で広大な土地を入手できるという会社の宣伝を信じて、はるばる大西洋を渡って来たのだ。ここにたちまち先住民との土地争奪戦が始まる。
インディアンには、もともと土地私有の観念はなかった。土地の権利、売却、譲渡、などの意味すら知らない。それをよいことに、イギリス人は無理矢理契約書に署名させ、合法的と称して騙し、脅して、次々にインディアンの土地を収奪していった。合衆国は建国以来、土地所有をめぐってインディアンと白人との間に結ばれた条約・協定は300を超えたが、そのほとんどすべてが、日ならずして反故にされた。アメリカ人に都合のいいときは合法性の証文に使われ、都合が悪くなれば即座に破り捨てられたのである。
戦後の日本では、マッカーサーの占領政策により、大東亜戦争の原因追究は、タブーとして禁止されました。その代わり、何もかも日本が悪いという東京裁判史観を押し付けられました。
この戦争は、東条ら軍国主義者が企てた無謀な侵略戦争だ、と決めつけ、学校の歴史教科書も、終始一貫して、その線で統制されて記述されてきました。アメリカは、当初、ロシアの極東進出を阻止してくれた日本に好意的だったが、日本の強大化は、アメリカの満州進出に脅威となる存在として一変して日本を脅威、仮想敵国に位置づけるようになりました。
昭和7(1932)年、フランクリン・ルーズベルト大統領が当選しました。彼は、当初から日本を極度に嫌い、在位4選の長期政権下で一貫して日本打倒の謀略に情熱を傾けていました。アメリカは白人植民地帝国主義の歴史で最後に登場した国です。アメリカがアジア大陸に侵略の矛先を向けた頃には、英仏などの白人先進国に殆ど占領されて、残っていたのは満州だけでした。
ここに無理に進出すれば、先発の日本と衝突するのは目に見えていました。満州には日露戦争以来の日本の利権がありました。しかし、アメリカはお構いなしに日本を満州から追い出し、利権を独り占めしようと企み、次々に日本叩き政策をとって日本を挑発し続けたのです。満州は緯度の上からも、広さからも、米本土と類似し、資源の豊かさがあり、開発可能性があり、アメリカがこだわる意味があったのです。
かくて満州の利権をめぐって、先発の日本と後発のアメリカが最終対決戦に入るのは時間の問題と世界はみていたのです。「よみがえれ日本-日本再発見」より。