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2011年3月22日

侵略の世界史、この500年、白人は世界で何をしてきたか

同時多発テロは、侵略の世界史の終わりの始まり―明治以来、日本は欧米を文明先進国と崇め、非白人を歴史の表舞台に登場させることはなかった。

そのため西欧の繁栄を支えた植民地支配の暗黒面を見落としてきた。本書は、白人の残虐性と侵略性の根源は何かを解明する。

現代史だけを見ていたのでは、世界の中の日本の位置を見誤る。過去500年、白人が世界に向かって何をしてきたかを見れば、歴史の真実は明らかとなる。日本人としての誇りと自信を取り戻すために。

南北アメリカ大陸のうち、イギリスの植民地となったアメリカ、カナダなど、英語圏の先住民をインディアンと呼ぶ。彼らは紀元前4万年から2万5000年頃、アジアから当時は陸続きだったベーリング海峡を通ってやってきた人達で、人種的には日本人と同じモンゴロイドである。

ヨーロッパ人による北米の征服は、中南米より一世紀遅れて始まった。白人は先住民を野蛮人扱いしたが、彼らはアイヌと同じように、先祖の残してくれた自由の大地で、大自然に抱かれて伝統を守り、天真爛漫に楽しく平和に暮らしていた。そこへ突如、白人植民者が侵入し、インディアンの運命は一変するのである。

当時、北米大陸に侵略してきた白人はイギリス、フランス、スペイン人だった。だが、イギリス人と出会ったインディアンの運命が一番悲惨だった。なぜか。というのもフランス人はもっぱら毛皮にのみ関心があり、スペイン人は貴金属に関心があった。そのため彼らにとって、先住民の抹殺は得策ではなかった。

ところがイギリス人の関心は、もっぱら土地だった。土地とは言い換えれば領土である。イギリスで食い詰めた移民たちは、新大陸で広大な土地を入手できるという会社の宣伝を信じて、はるばる大西洋を渡って来たのだ。ここにたちまち先住民との土地争奪戦が始まる。

インディアンには、もともと土地私有の観念はなかった。土地の権利、売却、譲渡、などの意味すら知らない。それをよいことに、イギリス人は無理矢理契約書に署名させ、合法的と称して騙し、脅して、次々にインディアンの土地を収奪していった。合衆国は建国以来、土地所有をめぐってインディアンと白人との間に結ばれた条約・協定は300を超えたが、そのほとんどすべてが、日ならずして反故にされた。アメリカ人に都合のいいときは合法性の証文に使われ、都合が悪くなれば即座に破り捨てられたのである。