菅直人は20日、神奈川県横須賀市の防衛大学校の卒業式で訓示し、東日本大震災や東電福島第1原発事故での自衛隊員の決死の活動について「危険を顧みず死力を尽くして救援活動を続ける自衛隊員を誇りに思い、ご家族に心から敬意を表したい」と述べた。
未曽有の大震災を受け、今や菅は自衛隊に「おんぶに抱っこ」となっている。自衛隊を称賛するのは当然だと言えよう。
※辻元清美・秘書給与流用事件:つじもときよみひしょきゅうよりゅうようじけん
2002(平成14)年に発覚した、社会民主党国会議員やその秘書らによる議員秘書給与詐欺事件。辻元清美ら4名が逮捕された。全員が有罪。
「私もかつてカンボジアを訪れ、自衛隊のPKO・国連平和維持活動を視察し、現地の方々が自衛隊の真摯な活動と規律正しさを称賛するのを目にした」
こうも述べた。それならばぜひ聞きたい。なぜ辻元清美を震災ボランティア担当の首相補佐官に起用したのか。
カメラマンの宮嶋茂樹氏の著書によると、辻元は平成4年にピースボートの仲間を率いてカンボジアでの自衛隊活動を視察し、復興活動でへとへとになっている自衛官にこんな言葉をぶつけたという。
「あんた!そこ胸ポケットにコンドーム持っているでしょう」
辻元は自身のブログに「軍隊という組織がいかに人道支援に適していないか」とも記している。こんな人物がボランティア部隊の指揮を執るとは。被災地で命がけで活動している自衛隊員は一体どんな思いで受け止めているだろうか。
いかに民主党が人材難とはいえ、自衛隊を「暴力装置」呼ばわりした仙谷由人代表代行を被災者支援担当の官房副長官に起用したのも理解できない。
「どれほど自衛官が傷ついたか分かるか。自衛官の子供たちが学校でいじめられる可能性だってある」
自衛隊出身の自民党の佐藤正久氏が昨年11月22日の参院予算委員会で、言葉を詰まらせながら仙谷氏を指弾したことを、首相はすっかりお忘れのようだ。
しかも菅は被災者生活支援特別対策本部の事実上のトップ・本部長代理に仙谷由人を充てた。被災地への支援物資輸送を担っている自衛隊員の士気を大きくくじいたに違いない。
菅は18日、笹森清内閣特別顧問との会談で「自衛隊、消防、東電も含め意思疎通がもう一つうまくいっていない」と不満を漏らした。自衛隊や消防などが円滑に活動できるように調整するのが政府の役割ではないのか。
「菅の言うことは支離滅裂で、隊員たちの気持ちを逆なでするばかりだ」
ある幹部自衛官はこう嘆いたが、無責任な最高指揮官の指示に黙々と応える自衛隊員に心から敬意を表したい。